第7回 3級(過去問題)
正解は「黄色の選択肢」となります。
設問1
次の写真のうち、金属でできたものはどれでしょうか。



解説
- ドリルの材質としては、切削に耐えて欠けにくくするため、炭素工具鋼や合金工具鋼が使われています。
- チョークの材料は炭酸カルシウムが主成分の石灰石粉末を適度な粘土で固めたものです。
- ドラムスティックの材料は木製かカーボンファイバーで作られています。
設問2
工作機械はとても重く、種類によっては数十トンの重さのものもあります。このため、設置する工場の床は頑丈なものでなくてはなりません。
そこで、図のような基礎補強部を設けて床を補強するために使われる材料はどれでしょうか。

ゴム
木の板
コンクリート
解説
工作機械は金属材料を削る時、材料から受ける大きな抵抗力(曲げやねじりの力)で機械の変形や変位が起こりにくいように出来ています。そのため機械重量は重く、数トンから数十トンまで様々あります。
工場の工作機械を置く場所は、その重量が分散されないで地面に伝わることで、地面が沈下しないように基礎工事を行います。
図の基礎材料が薄すぎると、工作機械の荷重が分散されないまま地面に伝わり地面が沈下することもあります。
また、工場の近くに幹線道路等がある、工場内に大型の振動を出す機械がある場合には基礎と周辺部分に溝をつくって振動を遮断する「防振溝」を作ります。
設問3
次の写真のうち、穴をあける道具として正しいのはどれでしょうか。



解説
ハンマー、刀は穴をあける道具ではありませんので正答は自然とドリルになります。
設問4
ものを加工するとき、いらない部分を削り取って加工する方法を切削加工といいます。切削加工には、材料が回転して、切削工具が移動する方法と切削工具が回転して材料が移動する方法の2つがあります。
次のうち、材料を回転させて加工する方法にあてはまるのはどれでしょうか。



解説
- リンゴ皮むき器は旋盤の動きと同じで、ハンドルを回すと緑色の刃物セット部が同期して円弧を描き動いて皮をむきます。
- 鉛筆削りは鉛筆を固定して刃物を回転させていますので、問題の趣旨とは異なります。
- ローラーによる生地作りは材料を平たく押しつぶす圧延加工のようなもので、切削と関係ありません。
設問5
写真の形状をした切削工具(ボールエンドミル)を使って、四角い金属片を矢印の方向にまっすぐ削ったとき、削られた材料の形状として正しいものはどれでしょうか。




解説
写真の工具刃先は丸い形をしているため、削った後の形は丸くなります。
設問6
機械とは、わかり易くまとめると①~③のような仕掛けであることがわかります。
① すぐには壊れない部品を組み合わせてつくられている
② 各部分同士が互いに一定の動きを繰り返している
③ 電気やガソリン、人力などのエネルギーで人間に有用な仕事をする。
以下の中で機械ではないと考えられるものはどれでしょうか。

自転車

カンナ

電気掃除機
解説
人力で動く自転車と電気で動く電気掃除機は①~③の条件を満足していますが、カンナはカンナ刃が木製の台に付けられているだけ)なので、説明②の各部分同士が互いに一定の動き(相互運動)をしません。カンナは人の作業の補助的な役割をする道具と呼ばれるもので、ハンマーやハサミなどと同じになります。
設問7
材料のいらない部分を切り取る切削加工と、材料をつぶす・延ばす・曲げるなどして形を変える塑性(そせい)加工に分けた場合、以下の写真のうち塑性加工はどれでしょうか。



解説
工作機械で行う加工を機械加工と言い、素材は多くが金属ですが木材やプラスチック等色々あります。
機械加工は大きく分けて2通りの方法があります。まず、鉛筆を手で削るのと同じように不要な部分を切屑として切り取る方法。これを、切削加工と言います。
もうひとつの方法はつぶしたり、延ばしたり、曲げたり、絞ったりして切屑が出ない方法です。この方法を非切削加工あるいは塑性加工と言います。
問題では左端の加工が素材を金型で挟んで曲げてV形状にする非切削加工でプレス加工と呼ばれます。
設問8
工作機械は、機械に使われている歯車や軸など色々な部品を作ることができる上に、自分(工作機械)を構成している部品も各種の工作機械で作ることができます。
このため、工作機械は「機械を作る機械」と言われますが、別名で何と呼ばれるでしょうか。
ブラザーマシン
ファザーマシン
マザーマシン
解説
工作機械は道具や機械そのもの全体を作るのではなく、歯車や軸などの構成部品を作る機械です。
そして、工作機械は工作機械を構成する部品も作れます。1台の機械では工作機械の部品をすべて作ることはできませんが、各種の工作機械がそれぞれ得意とする部品を作ることで可能になります。この「自分を作る能力を持つ」ことが食品のみを作る食品機械などと異なる点です。
そこで、工作機械は機械の部品を生み出すことができることからマザーマシン(母なる機械)とも呼ばれます。