米国ではNCフライス盤の完成後、各種加工機能を1台に集約したマシニングセンタ(図13)を1958年カーネイ&トレッカー社が世界で初めて開発しました。
(一社)日本工作機械工業会はマシニングセンタを「工作物の取り付けを変えずに、フライス・穴あけ・中ぐり・ねじ立てなど種々の作業ができる数値制御工作機械であり、多数の種類の異なる工具を自動的に作業位置にもってくる装置を備えたもの、または、少なくとも二面以上を加工できる構造で、工具の迅速な交換機能を備えた機械」と定義しています。
マシニングセンタがNCフライス盤と大きく異なるのは、切削工具を何本も自動工具交換装置(ATC)に収納して自動で工具交換が行える点でしょう。
図14
図14のように、マシニングセンタは主軸の向きで立て形と横形に分類されます。
立て形マシニングセンタは垂直方向の主軸を持ち、工作物を上から加工します。従って、加工は高さが高くない(平物)工作物が向きます。立て形はマシニングセンタが可能な種々の加工が工作物上面にしかできませんが、自動工具交換装置が装備されているためマシニングセンタと呼ばれます。
一方、横形マシニングセンタは水平方向の主軸を持つため、工作物を横から加工できます。テ―ブルが一般的には90度ずつ回転するので、図15の角型工作物の4側面が加工することができる利点があります。
※「ヒント集 その9」にも問題4のヒントがあります。