第4回 初級 基礎資料 その5

主な加工方法《問題3 参考》

工作機械により金属などの材料(工作物)を削り、必要な形に作ることを特に「切削加工」と言います。工作物は主として金属ですが、プラスチックやセラミックのような非金属材料の場合もあります。砥石を用いて工作物を研磨することも、広い意味では切削加工ですが、特に「研削加工」と呼びます。

切削加工や研削加工では、モータで回転する主軸と呼ばれる工作機械の主要部の一つに工作物を取り付けて、切削工具や砥石を移動させ加工するか、工作物を固定して主軸に切削工具や砥石を取り付けて移動させ加工します。

なお、電気や化学のエネルギーを利用する「放電加工」「電解加工」や「レーザ加工」、特殊な音波のエネルギーを利用する「超音波加工」なども切削加工の1種として位置づけられています。以下に代表的な切削加工の方法を挙げます。

(1)旋削加工

旋削加工は、切削工具(バイト)が回転する円筒形および円板状工作物の半径方向に切り込み、軸方向に動かす(送る)ことで加工します。

(2)ドリル加工

ドリル加工は、切削工具(ドリル)で工作物に穴をあける方法をいい、一般的には工作物を固定し、ドリルを回転させると同時に軸方向に動かす(送る)ことで加工します。

(3)中ぐり加工

すでにあけられている穴をさらに目的に応じてくり拡げ、それと同時に精度の高い穴の表面仕上げを行う方法で、中ぐりバイトまたはボーリングバーと呼ばれる切削工具を回転させながら、軸方向に動かし(送り)切削します。

(4)フライス加工

フライス加工は、円筒形の端面または円周上に多数の刃を持った、それぞれフライス、エンドミルと呼ばれる切削工具を回転させ、工作物を送り、工作物表面、溝などを切削します。

(5)歯車加工

歯車加工はホブカッターに代表される切削工具を使い、これを回転させながら工作物の円周上を軸方向に送り、工作物をゆっくり回転して歯車の加工を行います。

(6)研削加工

研削加工に使われる高速回転する研削砥石は多数の「砥粒」を「結合剤」で固めたもので、その構造は、ちょうどお菓子の"おこし"のようです。

砥粒は工作物を削る多くの小さな切れ刃に相当し、少しずつ切れ込みを入れることで、寸法や形状を高い精度に仕上げます。結合剤は砥粒を支持するホルダ-の働きをし、気孔は削りくずを排出する働きをします。これら砥粒、結合剤および気孔を研削砥石の三要素と呼びます。

砥石は摩耗すると真円性の回復のためドレッサと呼ばれる工具でドレッシング(目直し)を行い、新しい砥粒が砥石の表面に出るようにして形直しをします。

(7)放電加工

放電加工は、電極と工作物の間で火花を放電させて、工作物を加工する方法です。加工される形状と相対した電極を使用する形彫り放電加工と、銅線などのワイヤを電極とするワイヤ放電加工があります。

(8)レーザ加工

レーザ加工はレーザ光により工作物を所定の形状に切断加工する方法です。金属材料の切断には、発振方法の異なる炭酸ガス(CO2)レーザとファイバーレーザがあります。

目次
INDEX
前へ
(資料集 その4)
BACK
次へ
(資料集 その6)
NEXT
閉じる
CLOSE